【4月12日 AFP】イタリア・ベネチア(Venice)で最も注目される現代美術館「プンタ・デラ・ドガーナ(Punta della Dogana)」で、4月10日から展覧会「In Praise of Doubt」が開催されている。

■プンタ・デラ・ドガーナとは

 サンマルコ広場の対岸の大運河に挟まれた島の先端に位置する「プンタ・デラ・ドガーナ」は09年にオープンした現代美術館。仏実業家フランソワ・ピノー(Francois Pinault)率いる財団が運営し、館内にはピノーがコレクションした多岐にわたる作品が展示される。来場者は毎日1000人近くに上る。

 世界有数の現代美術コレクターとして知られるピノーは「グッチ(GUCCI)」や「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」などを傘下に持つ仏ラグジュアリーグループPPRの創業者のひとり。07年に競合を破り、現代美術館をオープンするプロジェクトを本格始動した。税関として使用されていた歴史的建造物を広々としたギャラリーに再生されたのは、日本人建築家の安藤忠雄(Tadao Ando)だ。

 美術館のディレクターMartin Bethenodは「毎年35~40万人が来場します。来場者数はペギー・グッゲンハイム美術館(Peggy Guggenheim)とほぼ同じで、アカデミア美術館(Galleria dell'Accademia)より多いほどです」と語る。「プンタ・デラ・ドガーナ」の近くには、05年にピノーが買収したパラッツォ・グラッシ (Palazzo Grassi)美術館もある。

■現代芸術家の作品がずらり

 今回の展覧会「In Praise of Doubt」では、ドナルド・ジャッド(Donald Judd)やジェフ・クーンズ(Jeff Koons)、ポール・ マッカーシー(Paul McCarthy)、マウリツィオ・カトラン(Maurizio Cattelan)、デイヴィッド・ハモンズ(David Hammons)、エドワード・キーンホルツ(Edward Kienholz)らの作品をとりあげる。

 展覧会に際し、ピノーは「クリエイティビティは既に20年ほど前に死に絶えており、現在生み出されているものは全て“詐欺”だ、という説があり ます。しかし、私はその考えはとても陰鬱で、ネガティブだと思います。世界中に常に素晴らしい才能と創造性をもったアーティストが存在しています。それは今後も同じです。芸術的なクリエーションは、死にません」と語った。

 「In Praise of Doubt」の会期は2011年4月10日から2012年12月31日まで。(c)AFP/Pascale MOLLARD-CHENEBENOIT

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