【3月29日 AFP】米誌フォーブス(Forbes)の世界長者番付で2年連続トップに立ったメキシコの通信王、カルロス・スリム(Carlos Slim)氏が29日から、メキシコ市(Mexico City)にある個人美術館の一般公開を始めた。

 亡くなった夫人の名前をとって名づけられた「ソウマヤ美術館(Soumaya Museum)」はメキシコとヨーロッパの美術品を中心に6万6000点の所蔵品を誇る。コレクションにはオーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)やポール・セザンヌ(Paul Cezanne)、ピエール・オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo Da Vinci)といった巨匠の作品のほか、16世紀のスペイン征服時代に遡るコインや古文書なども含まれている。

 一般公開を翌日に控えた28日に記者会見したスリム氏は、「メキシコの外国旅行に行けない人たちに、偉大な芸術家たちの作品を生で知ってもらう機会になると思う」と語った。入館料は無料で、6階建ての展示スペースのほか、350席のホール、館内にある公立図書館、カフェテリア、ラウンジ、倉庫もある。この美術館は、住宅地や5つ星ホテルを含む8億ドル(約650億円)規模の複合都市開発の一部として建設された。

 スリム氏は先ごろ発表された米誌フォーブス恒例の世界長者番付で2010年に続き、2年連続で1位に輝いた。資産総額は前年より205億ドル(約1兆6800億円)増え、約740億ドル(約6兆1000億円)と発表された。(c)AFP