【3月21日 AFP】ロシアのボリショイ・バレエ団(Bolshoi Ballet)のスターダンサーで2003年から芸術副監督を務めていたゲンナジー・ヤーニン(Gennady Yanin)氏が前週17日、合成わいせつ画像をインターネット上に掲載されるスキャンダルで辞任に追い込まれた。

 ヤーニン氏は、前週発表が予定されていた同バレエ団の芸術監督の有力候補だった。しかし露日刊紙イズベスチヤ(Izvestia)によると、発表直前の前々週、ヤーニン氏によく似せた男性のわいせつ画像が掲載されたウェブサイトへのリンクを記したEメールが、無数のメールアドレス宛にばらまかれた。

 タブロイド紙コムソモリスカヤ・プラウダ(Komsomolskaya Pravda)によると、リンク先のウェブサイトは短時間のうちに閲覧ができなくなったが、ボリショイ劇場(Bolshoi Theatre)の公式サイトに似せて作られていたという。

 イズベスチヤ紙はヤーニン氏は法的措置を取ることなく副監督職を辞任し、ボリショイ劇場のアナトリー・イクサノフ(Anatoly Iksanov)総裁もこれを受け入れたという。

 経済紙コメルサント(Kommersant)は問題のメールと画像について、「どこまでも卑劣な行為だが、目的は達した。ヤーニン氏の名声は傷つき、劇場は同氏の昇進を認めるわけにはいかなくなった」と報じた。

 ロシアでは以前にも同様の手法で、検事総長が辞任に追い込まれている。ユーリ・スクラトフ(Yury Skuratov)検事総長(当時)は2000年、よく似た男性が2人の女性と性行為をしている様子を映したビデオがテレビのニュースで報じられ、解任された。(c)AFP