【2月15日 AFP】オランダの巨匠ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)の絵画の特徴である鮮やかな黄色が茶色く変色してしまう原因を、欧州の研究チームが化学的に解明した研究結果が14日、米化学専門誌「Analytical Chemistry」に掲載された。

 ベルギーのアントワープ大学(Antwerp University)などが参加する研究チームが、超高感度のX線顕微鏡でゴッホの絵画を分析したところ、絵の具とニスが混ざり合った部分が日光にさらされると化学変化が引き起こされることが分かった。

 フランスのグルノーブル(Grenoble)の欧州シンクロトロン放射線研究施設で行ったX線分析でも、バリウムと硫黄の化合物が存在すると、黄色い絵の具に含まれるクロムの劣化が顕著であることが確認された。

 こうした結果から、研究チームは白と黄色の絵の具を混ぜて使用したゴッホの技法が、黄色を変色させる要因となったと考察。貴重なゴッホの作品を変色させないために、作品を紫外線や日光から守るよう勧めている。(c)AFP