【11月20日 AFP】イタリアから盗み出された文化財がニューヨーク(New York)で発見され、米税関当局は19日、イタリアに返還した。盗難品を発見したのは、休暇中のイタリアの警察官だった。

 イタリア文化財警察の警察官は、NYのマディソンアベニュー(Madison Avenue)を散策中に、あるギャラリーで大理石のトルソーが35万ドル(約3000万円)で販売されているのを発見した。

 携帯電話のカメラでこのトルソーを撮影し、ギャラリーのオーナーにどこで入手したのか質問した。しかしオーナーがなかなか話そうとしなかったため不審に思い、イタリアに帰国してから盗難品のリストを検索したところ、1988年にイタリア・ローマ(Rome)南部のテッラチーナ(Terracina)にある考古学博物館から盗まれたものであることを突き止めた。

 イタリアからの通報を受け、米税関当局はこのトルソーを押収。50万ユーロ(約5700万円)で売りに出されていたゼウスかポセイドンをかたどった小さな銅像とともに、19日にイタリア当局に返還した。

 一緒に返還された銅像は、1980年にローマ国立博物館(National Roman Museum)から盗まれたものだった。2006年に競売大手サザビーズ(Sotheby's)がニューヨークで競売にかけ、その後、米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)で展示されていた。所有者の米国人女性が、イタリアへの返還に同意したという。(c)AFP