【6月10日 AFP】アルメニアの洞窟で発掘されたモカシンタイプの革靴は、5500年前のもので世界最古の靴だった――。この靴を調査していたアイルランド・コーク大学(University of Cork)のRon Pinhasi博士らの考古学チームがオンライン科学誌「PLoS ONE」に発表した。エジプトのギザのピラミッドの建造時期より1000年も古い。

 靴は、イランとの国境に近い洞くつで、ヒツジのふんの地層の下から発見された。洞くつ内は乾燥した状態が保たれ、ふんで保護されていたこともあり、ほぼ完全な状態で残っていた。

 見つかったのは片方だけで、年代は紀元前3500年ごろ。1枚の牛革で足の形に沿うよう作られており、昨今ブームが再燃しているローファーに似ている。サイズは37(約24・5センチ)で、男性用か女性用かは不明。製作技術や形状は、欧州各地で発掘された後の年代の靴と極めて類似しており、「このタイプの靴は数千年にわたって、多様な環境の広範囲の地域で履かれてきたのだろう」とPinhasi博士は述べている。
 
 なお、靴の中には草が敷き詰められていたが、保温のためか、シューキーパーのように靴の形を保持するためのものかは不明だという。(c)AFP