『タンタンのコンゴ探険』は人種差別的、コンゴ人が出版元を訴える
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【5月5日 AFP】エルジェ(Herge)が1930年代に描いた漫画「タンタンの冒険旅行(The Adventures of Tintin)」シリーズ中の『タンタンのコンゴ探険(Tintin in the Congo)』について、アフリカ人の描写が人種差別主義的だとして、ベルギーに住むコンゴ人男性が出版元のカスターマン(Casterman)を訴えた。同社の広報担当者が4日明らかにした。
訴えを起こしたのは、ブリュッセル(Brussels)在住のビエンヴェヌ・ムブツ・モンドンド(Bienvenu Mbutu Mondondo)さん。2007年、タンタンの著作権の管理会社ムーランサール(Moulinsart)を相手取り、同書における黒人の描写がベルギーの反人種排斥法に抵触するとして刑事告発した。
だが、それから3年、裁判の進展が見られないことに業を煮やし、このほど、カスターマンに対して販売差し止めを求める民事訴訟を起こしたという。モンドンドさんは、販売を中止できない場合は、当該のすべての本に警告表示を入れるべきだとしている。
カスターマン側は、今月12日に出廷する予定だという。
■英国では対処済み
ベルギー人作家エルジェ(1907-1983)の手による同作品は、1930~31年、ベルギーの子ども向け週間新聞「プチ20世紀(Le Petit Vingtieme)」に発表された。しかし当時のベルギー領コンゴを舞台にしたタンタンの冒険は、植民地主義や人種主義、そして動物に対して平然と行われる暴力などの描写が物議を醸した。
エルジェは当時、こうした描写はこの時代における物の見方を反映したに過ぎないと語っている。とは言え、のちの改訂版では、議論を呼んだ一部のシーンが書き換えられた。
英国では、作中の「野蛮な現地人たち」がサルのように描かれ、愚かな人物のような話し方をしている点などにおぞましい人種的偏見が見られる、と判断されており、同国で販売される版にはすべて冒頭に注意書きが付されている。(c)AFP
訴えを起こしたのは、ブリュッセル(Brussels)在住のビエンヴェヌ・ムブツ・モンドンド(Bienvenu Mbutu Mondondo)さん。2007年、タンタンの著作権の管理会社ムーランサール(Moulinsart)を相手取り、同書における黒人の描写がベルギーの反人種排斥法に抵触するとして刑事告発した。
だが、それから3年、裁判の進展が見られないことに業を煮やし、このほど、カスターマンに対して販売差し止めを求める民事訴訟を起こしたという。モンドンドさんは、販売を中止できない場合は、当該のすべての本に警告表示を入れるべきだとしている。
カスターマン側は、今月12日に出廷する予定だという。
■英国では対処済み
ベルギー人作家エルジェ(1907-1983)の手による同作品は、1930~31年、ベルギーの子ども向け週間新聞「プチ20世紀(Le Petit Vingtieme)」に発表された。しかし当時のベルギー領コンゴを舞台にしたタンタンの冒険は、植民地主義や人種主義、そして動物に対して平然と行われる暴力などの描写が物議を醸した。
エルジェは当時、こうした描写はこの時代における物の見方を反映したに過ぎないと語っている。とは言え、のちの改訂版では、議論を呼んだ一部のシーンが書き換えられた。
英国では、作中の「野蛮な現地人たち」がサルのように描かれ、愚かな人物のような話し方をしている点などにおぞましい人種的偏見が見られる、と判断されており、同国で販売される版にはすべて冒頭に注意書きが付されている。(c)AFP