【3月31日 AFP】欧州連合のヘルマン・ファンロンパウ(Herman Van Rompuy)欧州理事会常任議長(62、EU大統領)が自作俳句の選集を出版する。EU大統領事務所が30日発表した。

 この句集は4月15日にベルギーのブリュッセル(Brussels)で発表され、その際にファンロンパウ氏がいくつかの句を朗読するという。

 元ベルギー首相のファンロンパウ氏は前年12月に初代のEU大統領に就任した。長らく俳句に親しんでおり、政治的な論争よりも思索をめぐらせて句を詠むのが好みで、大統領となった今も詩作を続けている。

 ベルギー北部オランダ語圏のフランドル(Flanders)地方出身のファンロンパウ氏は、句をオランダ語で書く。ファンロンパウ氏のウェブサイトに掲載された最新の句は以下のような内容だった。

Thinned out and grown bald, You can now see straight through the woods to the spring time
(葉の落ちし 木立の先に 春の見ゆ)

 熱心なカトリック信者で物静かな学者のような風情を漂わせるファンロンパウ氏は、記者会見を開くことも少なく、裏方での仕事を好む。EU大統領の指名前には「政治が人生のすべてではない」と語っていた。

 ファンロンパウ氏はこれまでにも数冊の著作を発表しており、詩作の趣味からもときおりユーモアのセンスが見え隠れする。以下もファンロンパウ氏による俳句作品。

Hair blows in the wind, after years there is still wind, sadly no more hair
(髪ゆらす 風吹きたれど 今はもう)

(c)AFP