2009年世界報道写真、大賞にイラン大統領選に抗議する女性 AFP通信3人も受賞
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【2月15日 AFP】12日、世界報道写真(World Press Photo)財団(本部・オランダ)が選ぶ2009年世界報道写真大賞(World Press Photo Award)に、イタリア人のフリーランス・フォトジャーナリスト、ピエトロ・マスツルツォ(Pietro Masturzo)氏が撮影した、イラン大統領選の結果に抗議を叫ぶ女性たちの写真が選ばれた。マスツルツォ氏には5月2日にオランダ・アムステルダム(Amsterdam)で行われる授賞式で1万ユーロ(約120万円)が贈られる。
報道大賞を受賞したマスツルツォ氏のモノクロ写真は、2009年6月12日のイラン大統領選挙から数日後に撮影されたもので、選挙結果に不満を表すイランの市民が建物の屋上やバルコニーから叫ぶ様子をとらえている。
また審査委員会は今回、同じイラン大統領選に関連する映像として、インターネットの動画投稿サイト、ユーチューブ(Youtube)に投稿された、6月20日の抗議デモで銃弾を浴び死亡した26歳の学生ネダ(Neda Agha-Soltan)さんの映像について特別に言及した。
スポットニュース(速報)の部上位3位は、AFP通信のウォルター・アストラダ(Walter Astrad)、オリビエ・ラバンマテイ(Olivier Laban-Mattei)、モハメド・アベド(Mohamed Abed)の3氏が占めた。
同カテゴリーで1位となったアルゼンチン人のアストラダ氏は、2年連続の同賞受賞。前年は08年、総選挙で暴動の起きたケニアの写真で受賞したが、今年は09年2月、マダガスカルのマルク・ラベロマナナ(Marc Ravalomanana)前大統領に対する反大統領デモをとらえたシリーズが評価された。
同賞2位のラバンマテイ氏の写真は、イラン大統領選挙後の抗議行動を、3位のアベド氏の写真は09年1月のパレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区に対するイスラエル軍の攻撃を撮影したものだった。
今年の選考対象となったのは写真家5847人、10万1960点の作品で、10カテゴリーの賞が23か国63人に贈られた。(c)AFP