【1月27日 senken h】デンマーク、ドイツ、ソ連といった列強支配の下、商業都市、要塞都市としての歴史をたどったエストニア。1991年の独立宣言から20年。フィンランド湾を臨む港町は現在、“バルトの窓”として多くの観光客に向け開け放たれている。そこで、「体験するエストニア」をテーマに、世界遺産タリン(Tallinn)の旧市街とラヘマー国立公園の2エリアを紹介する。

 タリン旧市街は、北欧の中でもっとも保存状態が良いと言われる。タリンとはエストニア語で「デンマーク人の城」という意味。その名の通り、13世紀に築かれたデンマーク人の城を中心に発展した町なのだ。タリンがもっとも栄えたこの時代の教会、市庁舎、住居跡がそのままの姿で保存されている。まさに「生きた博物館」だ。

 旧市街は1.85kmにわたって続く城壁に囲まれており、貴族など支配者層が暮らしたトームペアと商人や職人が住んだ下町とに二分されている。トームペアは高さ約24mの丘の上にあり、城や大聖堂といった権威の象徴が市街を見下ろす。下町の中心はラエコヤ広場。夏場にはビアガーデン、冬にはクリスマス・マーケットが開店し、活気を見せる。

 旧市街はどこを切り取っても絵になる。冬のエストニアの夜は長く、治安も良い、ぜひ夜の散歩を決め込んでみては。(c)senken h / text:三澤和也 

【データ】
 日本からエストニアへの直行便はないため、まずはフィンランドへ(約9時間半のフライト)。ヘルシンキで乗り換え、約30分で首都タリンに到着。時間に余裕があれば、船の旅もお薦めだ。エストニアの総面積は4万5227平方キロメートルで、九州とほぼ同じ大きさ。通貨はクローン(EEK)で、1ユーロ=15.65クローンで固定されている。つまり1クローンは約8.5円(2010円1月現在)。日本との時差はマイナス7時間。

【関連情報】
エストニア観光局 公式サイト (取材協力)
フィンランド航空 公式サイト (取材協力)
“北欧の隠れ家”エストニアをゆく(2) (3)
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