【12月19日 AFP】モスクワ(Moscow)の美術館Marat Guelman Galleryで18日から前代未聞のヌード版画展が開催されている。「偉大な指導者からのメッセージ:スターリンの署名(Messages from the Great Leader: Stalin's Autographs)」と題された同展覧会には19~20世紀の版画が展示されているが、いずれも旧ソビエト連邦の指導者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の手によるとされる走り書きが残されており、当時の「同志」たちを罵倒する言葉が色鉛筆で乱雑に書き殴られているという。

 たとえばある版画には、男性ヌードの足の部分に、次のような言葉が並んでいる。「ろくでなし野郎のラデックは、もし風に向かってションベンをしなければ、もし怒らなければ、今も生きていたはずだ」。この言葉は、共産主義の国際組織コミンテルン(Comintern)の指導者で、1939年にスターリンの秘密計警察に殺害されたソ連の政治家カール・ラデック(Karl Radek)について述べたものとみられる。

 これらの走り書きが偽物ではないかと疑惑視する声も上がっていが、展覧会の主催者は「鑑定した結果、正真正銘のスターリンの筆跡だった」との専門家による証明書を会場に掲示している

 この展覧会はスターリン生誕130周年記念に先がけて開催されたもの。主催者によると、展示作品は「かつてスターリンの護衛として働いていた人物の家族が個人的に保管していたもの」だという。

 開催場所のMarat Guelman Galleryは、ソ連邦崩壊後のロシアで最初の有名な私立美術館で、モスクワ中心部に位置する。(c)AFP