【10月12日 AFP】エジプトがルーブル美術館(Louvre Museum)所蔵の古代エジプト遺物の返還を求めていた問題で、フランス文化省の特別委員会は9日、3000年前の壁画5点をエジプトに返還することを全会一致で決定した。2000~03年にルーブルが取得したこれらの壁画が、1980年代の盗品だと確認されたためという。

 決定を受け、エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of AntiquitiesSCA)は、7日に発表したルーブル美術館との協力凍結について、返還され次第回復すると発表した。

 エジプトの古代遺物の多くは英国の植民地時代に流出し、海外の博物館に展示されている。エジプト政府は、「エジプト国民には、自国の文明による芸術に直に接する権利がある」として各国に返還を要請しているが、応じる博物館は少ない。

 エジプトが返還を求めている遺物には、大英博物館(British Museum)のロゼッタ・ストーン(Rosetta Stone)、独ベルリン(Berlin)の旧博物館(Altes Museum)が所蔵するネフェルティティ(Nefertiti)王妃の胸像、ルーブル美術館のデンデラの黄道帯(Dendera Zodiac)などがある。(c)AFP

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