【9月9日 AFP】世界で最も権威ある文学賞のひとつ英「ブッカー賞(Man Booker Prize)」の2009年度の最終候補作6作が8日、発表された。南アフリカのノーベル賞作家J・M・クッツェー(J.M. Coetzee)の史上初、3度目の受賞となるかが注目される。

 ブックメーカー(賭け屋)の予想では、クッツェーの自伝小説『Summertime』と、ヘンリー8世(King Henry VIII)の側近トマス・クロムウェル(Thomas Cromwell)に焦点を当てたヒラリー・マンテル(Hilary Mantel)の歴史小説『Wolf Hall』が競り合っている。

 過去に2度最終候補に残ったサラ・ウォーターズ(Sarah Waters)は、『The Little Stranger』で3度目の正直を狙う。

 ほかにも、サイモン・モウアー(Simon Mawer)の『The Glass Room』、アダム・フォウルズ(Adam Foulds)の『The Quickening Maze』、A.S.バイアット(A.S. Byatt)の『The Children's Book』が最終候補に残っている。

 2003年にノーベル文学賞を受賞したクッツェーは、1983年に『マイケル・K(Life and Times of Michael K)』で、1999年に『恥辱(Disgrace)』で、それぞれブッカー賞を受賞。今年度のブッカー賞は10月6日に発表されるが、クッツェーが受賞した場合、史上初の同賞のハットトリックを達成することになる。(c)AFP