【6月6日 AFP】1989年に崩壊したベルリンの壁の残存部分に描かれ、4月に修復作業のため一旦塗りつぶされた、旧ソ連のレオニード・ブレジネフ(Leonid Brezhnev)書記長と旧東ドイツの政治家エーリッヒ・ホーネッカー(Erich Honecker)議長の情熱的なキスシーンが今月、よみがえることになりそうだ。壁の修復作業の主催者らが4日、明らかにした。

「イーストサイドギャラリー(East Side Gallery)」と呼ばれる長さ1.3キロのベルリンの壁の残存部分には、壁の崩壊から数か月の間に世界中から集まった118人のアーティストが100以上の壁画を描いた。壁画は4月、修復作業のため一旦塗りつぶされたが、アーティストの多くは絵を描き直すためにベルリンを訪れているか訪れる予定だという。

 ただ、一部の報道によると、キスシーンを描いたロシア人のDmitry Vrubelさんは修復の事実を初めて報道で知り憤慨し、描き直すことを拒んでいるという。一方、同ギャラリーのアーティストグループを代表するKani Alaviさんは、Vrubelさんが15日から描き直しに入ると述べ、報道を否定した。

 修復作業はベルリンの壁崩壊から20年となる11月9日までに終了することを目指している。すでに20の壁画が修復作業を終え、現在、15人のアーティストが修復作業に取り組んでいるという。(c)AFP