【2月26日 AFP】中国政府の国家文物局(State Administration of Cultural Heritage)は26日、「英仏軍などが略奪した文化財」として返還を求めていた清朝時代の銅像が前日の競売会社クリスティーズ(Christie's)のオークションで落札された事態を受け、同社による輸出入申請の審査を強化する方針を明らかにした。

 国家文物局は声明文のなかで「クリスティーズは近年、中国から略奪、密輸出された文化遺産を数多くオークションにかけてきた。しかし、これらの品々はすべて、国外に不法に持ち出されたものだ」とクリスティーズを非難。輸出入を含め、中国国内における同社事業への監視を強化すると宣言した。一方、クリスティーズ側は同社の取引に違法性はないと主張している。

 クリスティーズがパリ(Paris)で25日に開催したフランス人デザイナー、故イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)氏の遺品のオークションでは、150年前に清朝の離宮から英仏連合軍が持ち去ったブロンズの頭部像2体が出品され、計3140万ユーロ(約39億円)で落札された。

 これについて国家文物局は翌26日、ブロンズ像は清朝時代の庭園「円明園(Old Summer Palace)」からの略奪品であり、競売中止を求めていたにもかかわらず、競売が行われたのは国際条約に違反するとの声明を発表。クリスティーズ側には相応の代償が課せられるだろうと警告した。(c)AFP