【2月25日 AFP】仏パリ(Paris)の展示場グラン・パレ(Grand Palais)で行われている、故イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)氏と、彼の長年のパートナー、ピエール・ベルジェ(Pierre Berge)氏が所蔵していた美術・工芸品などの競売は2日目を迎えた24日も、絵画やアンティークの銀製品、宝石類などが記録的な高値で相次いで落札され、景気悪化も関係なしといった事態になっている。

 なかでも19世紀の画家テオドール・ジェリコー(Theodore Gericault)とジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル(Jean-Auguste-Dominique Ingres)の作品は、同時期の画家の作品として3つの過去最高額をつけた。ジェリコーの作品は900万ユーロ(約11億円)、アングルの油絵とスケッチはそれぞれ200万ユーロ(約2億5000万円)と91万3000ユーロ(約1億1000万円)の値をつけた。

 デザイナーのクロード・ラランヌ(Claude Lalanne)によるアールデコ調の宝石150点や鏡15点のセットは、競売が始まった数分後には180万ユーロ(約2億2500万円)の値がつき、クロードの作品では過去最高額となった。また、アイルランドのデザイナーで建築家のアイリーン・グレイ(Eileen Gray)のチェストも400万ユーロ(約5億円)で落札された。

 この歴史的な競売では初日の23日の段階ですでに、個人所有の美術品競売では世界最高額となる2億600万ユーロ(約260億円)の落札額を記録している。英競売大手クリスティーズ(Christie's)によると、2日目の競売の半分がすぎた時点で、落札額は4210万ユーロ(約52億円)に上っているという。

 また、2日目の競売では、約25年前にサンローラン氏とベルジュ氏にジェリコーの作品を売却した著名な販売業者Alain Tarica氏が、まさにその作品を落札するということも起きた。Tarica氏はほかにもう1つの作品を落札したが、どちらも顧客の代理での購入だという。(c)AFP/Emma Charlton

【関連情報】
◆故サンローランの美術コレクション、パリで競売始まる 最高額相次ぐ
◆【イヴ・サンローラン】過去記事一覧