【12月24日 AFP】イタリア政府が市場価格を大きく下回る値段で購入した、イタリア・ルネサンス期を代表する芸術家ミケランジェロ(Michelangelo)作品とされる15世紀のキリスト磔刑像が23日、ローマ(Rome)の国会議事堂で公開された。

 議事堂大広間で行われた除幕式には、ジョルジョ・ナポリターノ(Giorgio Napolitano)大統領はじめ、サンドロ・ボンディ(Sandro Bondi)文化相、ジャンフランコ・フィーニ(Gianfranco Fini)下院議長らが出席した。

 磔刑像は1495年ごろに制作された高さ41.3センチのシナノキ製。1日、イタリア政府が325万ユーロ(約4億1100万円)で購入した。

 磔刑像の市場価格は、3000万ユーロ(約37億9600万円)とみられるが、磔刑像の海外流出を防ぐために政府は先買権を行使した。

 イタリアANSA通信によると、前所有者だったイタリア北部トリノ(Turin)の古美術商は、磔刑像をフィレンツェの一族から買い取ったという。

 バチカンのAntonio Paolucci 学芸員はANSA通信に対し、ミケランジェロの作品であることを証明する文書はないものの、ミケランジェロ作とみるのは「きわめて妥当」と語っている。

 磔刑像は来年1月23日まで国会議事堂で無料で一般公開され、その後1月20日に米大統領に就任するバラク・オバマ(Barack Obama)氏を祝うため、米ワシントン(Washington D.C.)の国立美術館(National Gallery)で展示される見込み。(c)AFP