2008年ブッカー賞は、インド出身の新人作家デビュー作
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【10月15日 AFP】世界で最も権威ある文学賞のひとつ「ブッカー賞(Man Booker Prize)」の2008年度の受賞者が14日、ロンドン(London)で発表され、インド出身の作家アラビンド・アディガ(Aravind Adiga)氏(33)の『The White Tiger(ホワイト・タイガー)』が受賞した。授賞式では盾のほか、副賞として5万ポンド(約880万円)が送られた。
この作品はアディガ氏のデビュー作。インドの田舎で働く1人の男性が企業家として成功するまでが描かれている。人力車引きを父親に持つ主人公は人生の成功夢見てニューデリー(New Delhi)へ移り住むが、そこで家族との絆と、社会的な成功を望む気持ちとのはざまで思い悩む。
ブッカー賞審査委員長のマイケル・ポーティロ(Michael Portillo)氏によると、「インドの闇」を描いたオリジナリティがそのほかの候補作とは一線を画していたこと、衝撃とエンターテインメントが均等に含まれていることなどが選出理由になったという。
アディガ氏は1974年10月23日にマドラス(Madras)で生まれ、現在はムンバイ(Mumbai)に在住。「この賞をニューデリーの人々に捧げる」と受賞の喜びを語り、「300年前は地球上で最も重要な都市だったニューデリーは、再びそうなる可能性を持っている」と付け加えた。
■インド出身作家4人目のブッカー賞
1969年に創設されたブッカー賞の歴史で、サルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)氏、アルンダティ・ロイ(Arundhati Roy)氏、キラン・デサイ(Kiran Desai)氏に続き、インド出身者としては4人目の受賞となった。インドまたはインド人のアイデンティティーを扱ったものとしては9作目。
デビュー作での受賞は、2003年のDBCピエール(DBC Pierre)氏(『ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇(Vernon God Little)』)、1997年のロイ氏(『小さきものたちの神(The God of Small Things)』)に続き3人目となる。
今年の最終候補には、アディガ氏のほか、インドのアミタヴ・ゴーシュ(Amitav Ghosh)氏、オーストラリアのスティーブ・トルツ(Steve Toltz)氏、アイルランドのセバスチャン・バリー(Sebastian Barry)氏、英国のリンダ・グラント(Linda Grant)氏とフィリップ・ヘンシャー(Philip Hensher)氏が選ばれていた。最終候補に残った作家には、賞金2500ポンド(約44万円)が贈られ、それぞれの作品はデザイナーが手掛けた表紙の特別版で出版される。
■最終候補になれば作品売り上げは7倍に
今年で創設40周年を迎えるブッカー賞は、英連邦及びアイルランド国籍の作家によって書かれた最も優れた小説に贈られる。審査が実施される前年に出版され英語で書かれたものが対象となる。
世界でも有名な同賞の受賞により、国際的に読者を獲得するだけでなく、売り上げも激増する。インターネット通販大手アマゾン(Amazon)によれば、今年の最終候補作に選ばれた6作品の売り上げは候補作発表後に平均700%増加したという。
2007年の受賞作、アン・エンライト(Anne Enright)氏の『The Gathering(ザ・ギャザリング)』の英語版は50万部以上を売り上げた。(c)AFP
この作品はアディガ氏のデビュー作。インドの田舎で働く1人の男性が企業家として成功するまでが描かれている。人力車引きを父親に持つ主人公は人生の成功夢見てニューデリー(New Delhi)へ移り住むが、そこで家族との絆と、社会的な成功を望む気持ちとのはざまで思い悩む。
ブッカー賞審査委員長のマイケル・ポーティロ(Michael Portillo)氏によると、「インドの闇」を描いたオリジナリティがそのほかの候補作とは一線を画していたこと、衝撃とエンターテインメントが均等に含まれていることなどが選出理由になったという。
アディガ氏は1974年10月23日にマドラス(Madras)で生まれ、現在はムンバイ(Mumbai)に在住。「この賞をニューデリーの人々に捧げる」と受賞の喜びを語り、「300年前は地球上で最も重要な都市だったニューデリーは、再びそうなる可能性を持っている」と付け加えた。
■インド出身作家4人目のブッカー賞
1969年に創設されたブッカー賞の歴史で、サルマン・ラシュディ(Salman Rushdie)氏、アルンダティ・ロイ(Arundhati Roy)氏、キラン・デサイ(Kiran Desai)氏に続き、インド出身者としては4人目の受賞となった。インドまたはインド人のアイデンティティーを扱ったものとしては9作目。
デビュー作での受賞は、2003年のDBCピエール(DBC Pierre)氏(『ヴァーノン・ゴッド・リトル―死をめぐる21世紀の喜劇(Vernon God Little)』)、1997年のロイ氏(『小さきものたちの神(The God of Small Things)』)に続き3人目となる。
今年の最終候補には、アディガ氏のほか、インドのアミタヴ・ゴーシュ(Amitav Ghosh)氏、オーストラリアのスティーブ・トルツ(Steve Toltz)氏、アイルランドのセバスチャン・バリー(Sebastian Barry)氏、英国のリンダ・グラント(Linda Grant)氏とフィリップ・ヘンシャー(Philip Hensher)氏が選ばれていた。最終候補に残った作家には、賞金2500ポンド(約44万円)が贈られ、それぞれの作品はデザイナーが手掛けた表紙の特別版で出版される。
■最終候補になれば作品売り上げは7倍に
今年で創設40周年を迎えるブッカー賞は、英連邦及びアイルランド国籍の作家によって書かれた最も優れた小説に贈られる。審査が実施される前年に出版され英語で書かれたものが対象となる。
世界でも有名な同賞の受賞により、国際的に読者を獲得するだけでなく、売り上げも激増する。インターネット通販大手アマゾン(Amazon)によれば、今年の最終候補作に選ばれた6作品の売り上げは候補作発表後に平均700%増加したという。
2007年の受賞作、アン・エンライト(Anne Enright)氏の『The Gathering(ザ・ギャザリング)』の英語版は50万部以上を売り上げた。(c)AFP