【9月15日 AFP】7月にベルリン(Berlin)にオープンしたマダム・タッソーろう人形館(Madame Tussauds Wax Museum)で、オープン直後に頭部をもぎ取られたナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)のろう人形が修復を終え、13日から再展示された。

 このろう人形は7月5日のろう人形館オープン直後、元警官というベルリン在住の男(41)によって頭部を破損され、修復期間中は撤去されていた。男は逮捕され、その後、器物損壊罪と警備員に対する傷害罪で起訴されている。後のインタビューで、「友人と話しているうちにその気になり、思い立って実行したが、後悔している」と語っている。

 ヒトラー人形は以前、柵などを設けずに展示されていたが、今回は展示コーナーがガラス板で仕切られている。ろう人形館はその理由を、「来場者と職員の安全保証のため」と説明している。

 このろう人形館は、1945年4月にヒトラーが自殺した場所から目と鼻の先にある。こうした場所にヒトラーのろう人形を展示するのは悪趣味であり、話題作りを狙っているだけと、ろう人形館はオープン当初から非難されていた。

 今回の再展示に当たり、ろう人形館側は「過激派の意見に影響を受けなかったことを誇りに思う。当初から言っていたように、ヒトラーはドイツ史の重要な1ページを代表する人物。よって、この展示は道理にかなっている」というコメントを出している。(c)AFP