【9月9日 AFP】「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの著者J・K・ローリング(J.K. Rowling)氏と映画制作会社ワーナーブラザーズ(Warner Brothers)が、同シリーズの非公認百科事典の発売を計画していた米出版社RDR Booksとその著者を知的財産権侵害で訴えた裁判で8日、裁判所は原告の訴えを認め、発売差し止めの判決を下した。

 この裁判は、Steve Vander Ark氏の非公認百科事典『Harry Potter Lexicon』の出版差し止めを巡って争われていたもの。マンハッタン(Manhattan)地方裁判所のロバート・パターソン(Robert Patterson)判事は、この百科事典の発売は原告の著作権を侵害するものだと認めた。フォーブス(Forbs)誌によれば、裁判所は被告に6750ドル(約73万円)の損害賠償支払いを命じた。

 ローリング氏は同日に発表したコメントの中で、「この百科事典は莫大な量の私の労力を盗み、オリジナルの解説を全く含んでいない。ハリー・ポッターの世界に対するオリジナルの見識を掲載した本は多いが、この百科事典はそうではない」と述べている。 

 一方、RDR Booksは、今回の結果に失望したとのコメントをホームページ上で発表。今後あらゆる可能性を検討するという。Ark氏の弁護士は、「ハリー・ポッター」シリーズに対する愛情からこの百科事典が生み出されたものだとしてArk氏を擁護している。(c)AFP