【7月22日 AFP】エジプトで19世紀に発見された世界最古の聖書の1つ「シナイ写本(Codex Sinaiticus)」が24日からインターネット上で公開される。ドイツのライプチヒ大学(University of Leipzig)図書館が21日発表した。

 4世紀前半に作成された「シナイ写本」は、「バチカン写本」と並び、ギリシャ語で書かれた世界最古の聖書。

 同写本は、シナイ半島(Sinai)の聖カタリナ修道院(Saint Catherine's Monastery)で、ドイツ人研究者によって発見された。上質皮紙350ページに記載されており、ロシアのサンクトペテルブルク(St. Petersburg)に収蔵された。

 その後1930年代に、旧ソ連の故スターリン(Stalin)書記長が英国の大英博物館(British Museum)にその大部分を売却した。また、40ページ分ほどがライプチヒ大学に所蔵された。1970年代には、聖カテリーナ修道院で別のページが発見された。

 大英博物館とライプチヒ大学が出資した今回のプロジェクトは、各地に分散する「シナイ写本」を1つにまとめることが目的。英国とドイツ、ロシア、エジプトがそれぞれ所蔵しているページをデジタルデーターにスキャンし、インターネットで公開する。

 シナイ写本は、最も正確な新約聖書を記録しているといわれている。同プロジェクトのホームページ(http://www.codex-sinaiticus.net)で、高解像度の画像形式で公開される。ギリシャ語のテキストが全文掲載され、重要な文章については、英語とドイツ語の翻訳がつく。

 24日には、100ページほどがインターネット上で公開される。次回は11月の公開を予定しており、2009年には全文の公開を目指している。(c)AFP