頭部もぎ取られたヒトラー人形、独ろう人形館で再展示が決定
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【7月8日 AFP】ドイツ・ベルリン(Berlin)にオープンしたばかりのマダム・タッソーろう人形館(Madame Tussauds Wax Museum)は7日、オープン直後に頭部をもぎ取られたナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)のろう人形を、修復後に再展示すると発表した。
ヒトラー人形の展示についてはその是非が議論されてきたが、ろう人形館の広報担当によれば、アドルフ・ヒトラーはドイツ史上無視できない決定的な時代を体現しており、世論に対し細心の配慮を払った上で「可能な限り早く」再展示されるという。
■ヒトラー人形展示は「話題作り」のため?
5日にろう人形館がオープンした直後、元警官というベルリン在住の男(41)がヒトラーの人形に突進して頭部を破損し、逮捕された。
制作費に約2万ユーロ(約340万円)かかったというこの人形について、同館は修理を行う予定だと発表していたが、再展示についてはその後ほぼ1日かけて検討された。
このろう人形館は、1945年4月にヒトラーが自殺した場所から目と鼻の先にある。こうした場所にヒトラーのろう人形を展示するのは悪趣味であり、話題作りを狙っているだけと非難されていた。
■人形破損の犯人への非難の声はわずか
一方、人形の頭部をもぎ取った行為を非難する声は少ない。逮捕された男は、友人と酒を飲んでいるうちにその気になり、今回の行動を思い立ったというが、今では後悔しているという。「お金や名声のためにやったのではない。昨日は良い気分だったが、今は自分のやったことを後悔している」とウェルト(Die Welt)紙に語っている。
男を押しとどめようとしたろう人形館の従業員が南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)に語ったところによると、男は「戦争反対!」と繰り返し叫びながら頭部をもぎ取り、その頭部が床を転げていくと落ち着いたという。
この事件は同国メディアで大きく扱われた。左派寄りのターゲスツァイトゥング(Tageszeitung)紙は、ドイツ人がナチスという過去を振り払った証拠だと伝えた。中道左派の南ドイツ新聞は、反ナチスの抵抗運動の歴史を持つ都市では驚く出来事ではなく、多くの人が静かにこの行動をたたえていると報じた。「人道主義的な観点から見れば、この破壊行為は成功だった」という、ベルリンのある警官のコメントも掲載している。(c)AFP
ヒトラー人形の展示についてはその是非が議論されてきたが、ろう人形館の広報担当によれば、アドルフ・ヒトラーはドイツ史上無視できない決定的な時代を体現しており、世論に対し細心の配慮を払った上で「可能な限り早く」再展示されるという。
■ヒトラー人形展示は「話題作り」のため?
5日にろう人形館がオープンした直後、元警官というベルリン在住の男(41)がヒトラーの人形に突進して頭部を破損し、逮捕された。
制作費に約2万ユーロ(約340万円)かかったというこの人形について、同館は修理を行う予定だと発表していたが、再展示についてはその後ほぼ1日かけて検討された。
このろう人形館は、1945年4月にヒトラーが自殺した場所から目と鼻の先にある。こうした場所にヒトラーのろう人形を展示するのは悪趣味であり、話題作りを狙っているだけと非難されていた。
■人形破損の犯人への非難の声はわずか
一方、人形の頭部をもぎ取った行為を非難する声は少ない。逮捕された男は、友人と酒を飲んでいるうちにその気になり、今回の行動を思い立ったというが、今では後悔しているという。「お金や名声のためにやったのではない。昨日は良い気分だったが、今は自分のやったことを後悔している」とウェルト(Die Welt)紙に語っている。
男を押しとどめようとしたろう人形館の従業員が南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)に語ったところによると、男は「戦争反対!」と繰り返し叫びながら頭部をもぎ取り、その頭部が床を転げていくと落ち着いたという。
この事件は同国メディアで大きく扱われた。左派寄りのターゲスツァイトゥング(Tageszeitung)紙は、ドイツ人がナチスという過去を振り払った証拠だと伝えた。中道左派の南ドイツ新聞は、反ナチスの抵抗運動の歴史を持つ都市では驚く出来事ではなく、多くの人が静かにこの行動をたたえていると報じた。「人道主義的な観点から見れば、この破壊行為は成功だった」という、ベルリンのある警官のコメントも掲載している。(c)AFP