【7月3日 AFP】帝政ロシア最後の皇帝ニコライ2世(Nicholas II)の処刑を告げるウラジーミル・レーニン(Vladimir Lenin)宛ての電報、ニコライ2世の家族らの処刑に使用された銃剣――モスクワ(Moscow)で2日、ニコライ2世の回顧展が開幕した。処刑からまもなく90周年を迎えるにあたり、これらの展示品を通じて「ニコライ2世の最後の日々」に焦点を当てる。

 ロシア公文書館で開幕した「Crown of the Tsar(皇帝の王冠)」展は、ニコライ2世の治世と最後の日々に関する資料約200点を展示する。家族の写真や肖像画のほか、1918年7月16日夜にニコライ2世と妻、5人の子どもが処刑されるという悲劇に直接関連した品々も展示される。

 その中には、処刑翌日の7月17日の日付けと、処刑に携わった人民委員Piotr Voikovの署名が入った「硫酸80キロを用意せよ」との命令書が含まれている。銃殺されたニコライ2世の家族の遺体を損傷させて身元特定を妨げる狙いがあったとみられる。

 硫酸が入れられていた陶器の水差しの2つの破片と、処刑に使用された2本の銃剣は、今回初めて公開される。これらの銃剣は、ニコライ2世とその家族、侍医、料理人、召使いら計11人の殺害に使用された。

 1917年に一家がウラル地方に監禁された際にニコライ2世に与えられた砂糖と穀物の配給カードも展示される。

 展覧会は9月10日まで開催される。(c)AFP