【5月26日 AFP】英競売会社クリスティーズ(Christie’s)が香港(Hong Kong)で24日に開催したオークションで、文化大革命(Cultural Revolution)をイメージした曾梵志(Zeng Fanzhi)の作品が970万ドル(約10億円)で落札された。中国の現代美術の落札価格としては史上最高額だった。

 この「仮面シリーズ 1996 No.6(Mask Series 1996 No.6)」は、赤いスカーフを巻いた8人を描いたもので、毛沢東(Mao Zedong)が主導した1960-70年代の文化大革命時に学生たちで組織された近衛兵を連想させる。 

 中国の現代美術におけるこれまでの最高額は、前年11月に落札された蔡國強(ツァイ・グオチャン、Cai Guo-Qiang)の「Set of 14 drawings for Asia-Pacific economic co-operation(アジア太平洋経済協力会議のための14枚の連作)」で、落札価格は950万ドル(約9億8000万円)だった。

 24日の落札総額は6010万ドル(約62億円)に上った。高額で落札された作品の大半は、文化大革命と1989年の天安門事件を題材にとったものだったという。(c)AFP