【5月20日 AFP】オークションハウスのクリスティーズ(Christie's)は19日、アイルランド出身の現代画家フランシス・ベーコン(Francis Bacon、1909-1992年)が手掛けた三連作の肖像画と、ドイツ出身の画家ルシアン・フロイド(Lucian Freud)の代表作が、6月30日にロンドン(London)で行われるオークションに出品されることを発表した。

 出品されるのは、ベーコンがパリ(Paris)時代に描いた「Three Studies for a Self Portrait(自画像のための3つの習作)」(1975)と、フロイドによる裸婦像「Naked Portrait with Reflection(鏡に映る裸婦)」(1995)。ベーコン作品については、これまで一度も一般公開されたことがないという。

 推定落札価格は、前者が1000万ポンド(約20億3200万円)以上、後者が1000万-1500万ポンド(20億3200万-30億4800万円)とされている。

 2画家の別の作品は、クリスティーズが13日にニューヨーク(New York)で開催したオークションでも高額で取り引きされている。そのときの落札額はベーコン作品が8620万ドル(約90億2000万円)で同画家の過去最高額を、フロイド作品が3400万ドル(約35億6000万円)で存命中の画家の作品として過去最高額を、それぞれ記録した。

 アート業界紙「Art Newspaper」は落札者をロシアの実業家で英プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)のオーナーでもある、ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏と報じている。

 ロンドンのクリスティーズで戦後・現代アート作品を担当するPilar Ordovas氏は2作家について、「ここ数年、フロイドとベーコンの傑作は世界中で人気が高まっている。2人とも20世紀後半を代表する芸術家と見なされるようになった」と指摘。さらに、「フロイドの婦像画は画家の名を世間に知らしめた代表的作品で、ベーコンの肖像画も短いながらも創造性に満ちたパリ時代に彼が残した貴重な作品」と評した。

 ベーコンとフロイドは親しい友人で、1950-60年代のロンドン・アートシーンで活躍した。(c)AFP