【5月14日 AFP】英国の50歳以下のアーティストに贈られる現代美術賞「ターナー賞(Turner Prize)」の候補者4人が13日、発表された。今年は候補者4人のうち3人が女性だ。ターナー賞が創設された1984年以来、女性受賞者は3人しかいない。

 今回候補に選ばれたのは、ルナ・イスラム(Runa Islam)氏、ゴシュカ・マキュガ(Goshka Macuga)氏、キャシー・ウィルクス(Cathy Wilkes)氏、マーク・レッキー(Mark Leckey)氏。

 レッキー氏の作品には、米国のアニメ『シンプソンズ(The Simpsons)』のキャラクターが登場する。ウィルクス氏はマネキン人形を使用したインスタレーションの作品が多い。

 4人の候補者は半年かけてロンドン(London)の美術館テート・ブリテン(Tate Britain)に展示する作品を選ぶ。受賞者の発表は12月1日。受賞者には副賞として2万5000ポンド(約500万円)が贈られる。

 2007年は、クマの着ぐるみ姿で閉館後の美術館を歩き回る自分の姿を撮影した映像などによるインスタレーションを出展したマーク・ウォリンジャー(Mark Wallinger)氏が受賞した。

 ウォリンジャー氏は、イラク戦争の抗議のため国会議事堂の前でテント生活を送っていた男性のキャンプを再現した作品で候補に挙がった。

 欧州で最も権威ある美術賞のひとつとされるターナー賞に関しては、才能よりも話題性を重視しているのではないかという批判の声もある。

 1995年は、腐ったウシの頭にウジ虫とポテトを添えた作品でダミアン・ハースト(Damien Hirst)氏が、98年はゾウの排泄物を使った絵画でクリス・オフィーリ(Chris Ofili)がそれぞれ受賞。2005年には、小屋を取り壊してボートを作り、そのボートから再び小屋を作ったサイモン・スターリング(Simon Starling)氏が受賞した。(c)AFP