【4月23日 AFP】フランス皇帝ナポレオン3世(Napoleon III)の妻、ウージェニー皇后(Empress Eugenie)のために作られた141カラットのダイヤモンドをあしらったボウブローチが100年以上の時を経て、フランスに戻った。ルーブル美術館(Louvre Museum)が22日、明らかにした。

 ルーブルは18日、ニューヨーク(New York)のオークションハウス「クリスティーズ(Christie’s)」で開かれたオークションでこのブローチを672万ユーロ(約11億円)で落札。資金は500万ユーロの個人的な寄付やその他美術館基金などでまかなうことができたという。

 この歴史的なジュエリーは1855年、パリの宝石職人Francois Kramer氏によって作られた。当初、ベルト用のバックルとしてデザインされたが、ウージェニー皇后が宝石職人に命じてストマッカー(胸当て)に作り直させた。その後、1864年にさらにダイヤモンドで作られた房2本とペンダント5つが追加され、皇后のお気に入りの1品となった。

 フランスの戴冠(たいかん)用宝玉の大半は1887年にオークションで売却された。ボウブローチはEmile Schlesinger氏が米国社交界の華Caroline Astor氏のために8万5000ユーロ(約1400万円)で落札し、以後100年以上にわたりAstor家が所有していた。

 ルーブルはここ数年で複数の戴冠用宝玉を買い戻して展示しており、このボウブローチも近く展示される予定。(c)AFP