【3月26日 AFP】ニューヨーク(New York)での競売で運慶作と見られる「木造大日如来像」が大手百貨店の三越により1430万ドル(約14億円)で落札された件で、都内の宗教法人「真如苑」が25日、三越に落札を依頼して入手したことを明らかにした。貴重な仏像が海外に流出するのを防ぐために、信者からの寄付金で競り落としたという。

 クリスティーズ(Christie’s)が主催した前週の競売で、同仏像は150-250万ドル(約1億5000万-2億5000万円)という予想落札額を大幅に上回り、日本の芸術作品としては史上最高額を記録した。

 同日、会見した同法人の西川勢二総合企画部長は、報道で仏像が海外に流出する可能性があると知って特別な関心を抱くようになったと述べた。落札額は同法人が出せるギリギリの額だったという。

 仏像は一般にも公開する考えで、約10年後に建設を予定している同法人の施設に移すまで、博物館に預ける方針を明らかにしている。(c)AFP