【3月16日 AFP】(写真追加)第2次世界大戦中にオーストラリアの軍艦「シドニー(HMAS Sydney)」を撃沈したと見られるドイツの巡洋艦の残がいが、オーストラリア西岸沖の海中で発見された。長らく捜索が続けられてきたシドニーの発見に大きく近付いたと期待が広がっている。

 ケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相は15日、オーストラリア最西端に近いシャーク湾(Shark Bay)の西約150キロ沖で、独仮装巡洋艦コルモラン(Kormoran)の残がいを発見したと発表した。

 同首相は、シドニー探索の上で、今回の発見は大きな手がかりとなると述べた。シドニーは、1941年11月、激戦の末、645人の乗組員とともに撃沈された。

 キャンベラ(Canberra)のオーストラリア戦争記念館(Australian War Memorial)を訪問中のラッド首相は記者団に対し「シドニー発見まで、あと1歩のところに来ている」と述べた。

 豪軍艦シドニーは、1941年11月、スマトラ(Sumatra)島からオーストラリアへ帰還する際に、ドイツの仮装巡洋艦コルモランと戦闘になり撃沈された。しかしその正確な位置は分かっていなかった。

 この戦闘でコルモランも撃沈されたが、乗組員397人の大半が生還し、生存者の証言によって戦闘のあらましが明らかになった。

 行方不明の軍艦シドニーは多くの人の関心を集め、今まで幾度も大規模な捜索活動が行われてきた。「Finding Sydney Foundation」は、今月初めから政府の資金提供を受け、音波探知機を装備した遠隔操作船を使って捜索活動を開始していた。

 Finding Sydney Foundationのテッド・グラハム(Ted Graham)会長は、「コルモランの発見によって、シドニーの捜索は半分終わったようなものだ」と述べた。(c)AFP