【10月31日 AFP】マドリード(Madrid)のプラド(Prado)美術館で30日、ソフィア(Sofia)女王やホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ(Jose Luis Rodriguez Zapatero)首相ら同席の下、国王フアン・カルロス1世(Juan Carlos)が改修工事の終わった超近代的な新館を披露した。同美術館では200年におよぶ美術館の歴史でも最大規模の改修工事が行われていた。

 プラド美術館はベラスケス(Velazquez)やゴヤ(Goya)などスペインを代表する画家たちの作品のほか、エル・グレコ(El Greco)やルーベンス(Rubens)など、19世紀以前の名画も所蔵。今回展示スペースが増築されたことで、従来から常時展示されている1000点に加え、新たに400点が展示される。

 新築された赤煉瓦の四角い建物はスペイン人建築家のラファエル・モネオ(Rafael Moneo)氏が設計。内装でひときわ目を引くのは、17世紀のサン・ヘロニモ修道院(San Jeronimo)だったものを解体・移築した回廊で、ガラス張りの天井の下、彫刻コレクションが展示されている。

 増築計画は1994年に発案されたが、作業が開始されたのは2002年になってから。当初1億5200万ユーロ(約252億円)と見積もられていた改修費は3倍近くに膨れあがった。

 一般公開は31日からで、11月4日までは入館無料。(c)AFP