【10月15日 AFP】アテネで14日、パルテノン(Parthenon)神殿北側のフリーズ(帯状の装飾)の一部を皮切りに、数百点にのぼる美術品をアクロポリス(Acropolis)の頂上にあるアクロポリス博物館(Acropolis Museum)から近代的な新美術館へ移動する作業が開始された。

 フリーズの一部だけでも重さは2.3トンに及ぶが、これから数週間で2.5トン相当の彫刻などがクレーンで移動される。

 女神アテナ(Athena)をたたえる古代の宗教的祝祭の様子が表現されているフリーズの一部は金属のケースに梱包され、パルテノン神殿横の旧館から300メートルふもとの新美術館へと移動された。

 天候に恵まれれば、向こう6週間で300点以上の彫刻などが移動される。クレーンはさらに6週間設置され、細かい彫像などの移動が行われるという。

 作業には160万ユーロ(約2億6700万円)が投じられ、保証額4億ユーロ(約667億円)相当の保険が掛けられている。

 パルテノン神殿のフリーズをはじめ、美術品が展示される新美術館を手がけたのはスイス出身の建築家Bernard Tschumi氏。一般公開は2008年初頭の予定。広さ2万5000平方メートル、3階建ての新美術館には主に、アテナ・ニケ(Athena Nike、勝利のアテナ)神殿などで発見された主に紀元前800年から500年の遺物や美術品が展示される。 (c)AFP