【6月20日 AFP】70年以上一般公開されたことのなかったフランス印象派の巨匠、クロード・モネ(Claude Monet)の名画「睡蓮(Nympheas)」が、ロンドンのオークション・ハウス「サザビーズ(Sotheby's)」で19日、モネの作品としては史上2番目に高い1850万ポンド(約45億5000万円)で落札された。

 競売にかけられたのは、1904年にフランスのジベルニー(Giverny)で制作されたモネの代表作・睡蓮シリーズのひとつ「睡蓮」。サザビーズ主催のオークション「印象派と近代アート、現代アート」に出品され、予想落札価格の1500万ポンド(約37億円)を大きく上回る額で落札された。落札者は匿名とされている。

 モネの作品として過去最高価格で落札された作品は「Bassin aux nympheas et sentier au bord de l’eau」で、1998年に1980万ポンド(約48億7000万円)で落札された。

 18日夜にはクリスティーズ(Christie's)主催の印象派と現代美術のオークションで、スペインの画家ジョアン・ミロ(Joan Miro)の「Le Coq」が予想落札価格の450万ポンド(約1億1000万円)を大きく超える660万ポンド(約1億6000万円)で落札された。この日の売上高は欧州におけるクリスティーズ主催のオークションとして過去最高の収益を記録し、1億2100万ポンド(約297億8000万円)に達した。「欧州史上、最も重要かつ価値あるオークション週間」と銘打ち、数日間で2億4100万ポンド(約593億1000万円)の落札を見込んでいる。
 
 同オークションでもう一つ注目された作品は、モネの「ウォータールー橋(Waterloo Bridge)」。落札価格は1790万ポンド(約44億円)と予想価格の3倍近くに跳ね上がり、匿名のアメリカ人が電話入札で落札した。翌日「睡蓮」に更新されるまでは、モネの作品としては史上2番目の落札価格となった。モネの別の作品では、ベルジニーの自宅にある睡蓮の池とあずまやを描いた「Les arceaux de roses, Giverny」 が、900万ポンド(約22億1500万円)近い値となった。

 また、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の「Mousquetaire et nu assis」が670万ドル(約16億4800万円)で、ロシアの画家ナターリア・ゴンチャローワ(Natalia Goncharova)の「Picking Apples」は予想の4倍近く、同作家の作品では過去最高の490万ポンド(約12億円)で落札された。(c)AFP