【4月1日 AFP】ティラノサウルス・レックス(Tレックス、Tyrannosaurus rex)と同程度の大きさで、同じくらいどう猛であったと考えられる新種の獣脚類の化石を発見したとする論文が、1日の科学誌「Cretaceous Research(白亜紀研究)」に発表された。

 中国山東(Shandong)省諸城(Zhucheng)で発掘されたこの新種恐竜は、「Zhuchengtyrannus magnus(諸城の暴君)」と名付けられた。体長11メートル、体高4メートル、体重6トンと推定され、肉食恐竜の獣脚類の中でも最も大型の部類に入る。

 論文を執筆したアイルランドのユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(University College Dublin)のデビッド・ホーン(David Hone)教授によると、Tレックスに似たこの恐竜の頭蓋骨が持つ特徴は、ほかの獣脚類には見られず、ティラノサウルス科の中でも新種と考えられる。

 ティラノサウルス科は約9900万~6500万年前の白亜紀後期に、北米や東アジアの陸地をかっ歩していた。腕は短く、2本の指を持ち、獲物をかみ砕くためにあごは大きく鋭かった。

 なお、あごの骨の一部と頭蓋骨の一部しか見つかっていないため、全長を推計するのは難しかったが、ホーン教授は「骨はTレックスのものよりも数センチ短かっただけ。この恐竜が巨大だったことは間違いない」と話している。(c)AFP