幹細胞からヒト脳立体組織の製作に成功、オーストリア
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【8月29日 AFP】幹細胞を使ってヒトの脳組織の原形の製作に成功したとの研究結果が28日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。脳の疾患や初期段階の発達に関する研究に活用できるという。
オーストリア科学アカデミー(Austrian Academy of Sciences)などの研究チームは、幹細胞を使い、チームが脳の「オルガノイド(組織構造体)」と呼ぶ豆粒大の立体組織の塊を培養。これは初期の胚脳組織の特徴を持つ。
マウスの脳はヒトの疾患やその治療法を研究するには単純すぎるが、今回の研究により、マウスの脳への依存が減ることが期待される。
研究を統括する同アカデミーのユルゲン・ノブリヒ(Juergen Knoblich)氏は電話での記者会見で、今回の技術はヒトの脳の発達と疾患について、「ヒトに特化した」特徴の研究に役立つと指摘。さらに、直接「対ヒト」という設定で薬の試験を実施することができ、結果として動物実験を避けることができ、より情報量の多い結果が得られ、ヒトの患者への移行もより容易になるという。
研究チームは人体のどの細胞にも分化できる多能性幹細胞を使い、最大4ミリのオルガノイドに「自己組織化」する神経系細胞を製作した。この細胞は回転するバイオリアクターの中で数か月生き延びることができる。(c)AFP/Mariette LE ROUX
オーストリア科学アカデミー(Austrian Academy of Sciences)などの研究チームは、幹細胞を使い、チームが脳の「オルガノイド(組織構造体)」と呼ぶ豆粒大の立体組織の塊を培養。これは初期の胚脳組織の特徴を持つ。
マウスの脳はヒトの疾患やその治療法を研究するには単純すぎるが、今回の研究により、マウスの脳への依存が減ることが期待される。
研究を統括する同アカデミーのユルゲン・ノブリヒ(Juergen Knoblich)氏は電話での記者会見で、今回の技術はヒトの脳の発達と疾患について、「ヒトに特化した」特徴の研究に役立つと指摘。さらに、直接「対ヒト」という設定で薬の試験を実施することができ、結果として動物実験を避けることができ、より情報量の多い結果が得られ、ヒトの患者への移行もより容易になるという。
研究チームは人体のどの細胞にも分化できる多能性幹細胞を使い、最大4ミリのオルガノイドに「自己組織化」する神経系細胞を製作した。この細胞は回転するバイオリアクターの中で数か月生き延びることができる。(c)AFP/Mariette LE ROUX