潜在的に危険、地球近傍天体「1998 KN3」
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【8月27日 AFP】米航空宇宙局(NASA) は22日、「潜在的に危険」な地球近傍天体「1998 KN3」が、オリオン大星雲(Orion nebula)近くの濃いガスと塵(ちり)の雲を通り過ぎていく様子を捉えた画像を公開した。
画像左上の黄緑色の点が、広域赤外線探査衛星(Wide-field Infrared Survey Explorer)の地球近傍天体観測システム「NEOWISE」によって撮影された「1998 KN3」。太陽によって小惑星は常温程度に温められるので、WISEが使用する赤外線波長では鮮やかに輝く姿で捉えられる。
天文学者たちは小惑星が発する赤外線を使ってその大きさを測定し、さらに可視光線の観測結果と組み合わせて、小惑星の地表面の反射率を測定する。WISEの赤外線データにより、「1998 KN3」は直径約1.1キロメートルで、地表面に降り注いだ可視光線のわずか7%しか反射しない比較的暗い小惑星だということが明らかになった。
この画像では、青い部分が短波長赤外線を、赤い部分が長波長赤外線を示している。熱い物体は短い波長の光を放つので、青く見える。例えば画像に写っている青い恒星の温度は数千度にも達する一方、温度が低いガスや塵は赤く見えている。常温の「1998 KN3」は黄緑色に見えるが、これは青色に輝く恒星よりも冷たいが、赤色の塵よりも熱いからだ。(c)AFP