【8月13日 AFP】音速に近い速さでトンネルを通って乗客を運ぶ超高速輸送システム「ハイパーループ(Hyperloop)」の構想が、発明家で企業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏によって12日、公開された。最高速度は時速1220キロ(マッハ0.91)で、米カリフォルニア(California)州の2大都市であるロサンゼルス(Los Angeles)とサンフランシスコ(San Francisco)間を35分で結ぶことができるという。

 電気自動車メーカー、テスラ・モーターズ(Tesla Motors)と宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の最高経営者(CEO)を務める同氏は、57ページにわたる構想書を公開。それによると「ハイパーループ」は、低気圧トンネルと、その中を高速・低速の両方で移動可能なカプセルから成っている。カプセルは、空気圧と空力的揚力を利用した「空気のクッション」によって支えられるといい、マスク氏はその仕組みについて「(列車よりも)飛行機に近い」と説明している。

 マスク氏は、自身がこのシステムを建設する予定は今のところなく、誰もが自由に利用できる「オープンソースデザイン」としてこの構想を提供すると先週に述べていたが、12日に行った電話記者会見では、「少なくともデモンストレーション用の試作機を作りたい気持ちはある」と語っている。

「ハイパーループ」は、ロサンゼルスとサンフランシスコを結ぶことを想定しているが、走行距離が約1500キロ未満の区間であれば、他の移動手段と比べて安上がりになるという。マスク氏は、両都市を結ぶ費用を約60億ドル(約5840億円)、片道乗車券は1人20ドル(約1950円)程度になると試算している。(c)AFP