古代魚に「腹筋」、3億8000万年前の化石から発見
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【6月14日 AFP】オーストラリア西部で出土した古代魚の化石から、これまで陸生生物にのみ発達したと考えられていた「腹筋」とみられる組織が見つかったとする研究論文が、米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。研究史上最古の脊椎動物の筋肉の化石だという。
豪ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州キンバリー(Kimberley)地方のゴーゴー(Gogo)累層で見つかった約3億8000万年前のものとみられる古代魚「Gogonasus」の化石を調査していた古生物学チームは、筋肉の位置と筋繊維の方向性を突き止めた。
「腹腔に筋肉を発見したのは予想外だった」と、オーストラリア国立大学(Australian National University)地球科学研究所(Research School of Earth Sciences)のギャビン・ヤング(Gavin Young)氏はAFPの取材に語った。「現存する魚でも、前進するための主な手段は尾を左右に振ることで、筋肉は全て体の側面に付いているからだ」
ヤング氏はさらに「興味深いのは、われわれがこれらの筋肉を発見した際、唯一比較可能だった筋肉組織が陸生生物のものだった点だ」と指摘。今後は、「Gogonasus」の機能が陸生生物の腹筋と同じかどうかを調べると述べた。
化石は石灰岩の団塊(ノジュール)の中から見つかったもので、保存状態が並外れて良い。論文によると、研究チームは3種の化石から少数の標本の筋肉を分析した。ヤング氏によれば「Gogonasus」の化石からは、これまでに神経や筋細胞といった軟組織や、脊椎動物として最古の胚、臍帯(へその緒)などの存在が確認されている。今回の研究ではさらに進んで、古代魚の筋肉組織を初めて「解読」した。
初期の脊椎動物の進化に詳しい豪カーティン大学(Curtin University)のKate Trinajstic准教授は、「古代魚の化石に腹筋がある!と非常に驚いた」とコメント。「腹筋は、陸上を初めて歩いた動物によって生み出されたものだと考えられていたが、進化史上ずっと早い時期に生じていたことを示す発見だ」と解説している。
腹筋は人間の場合、内臓の保護から姿勢や動作の維持までさまざまな機能を果たしている。(c)AFP
豪ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州キンバリー(Kimberley)地方のゴーゴー(Gogo)累層で見つかった約3億8000万年前のものとみられる古代魚「Gogonasus」の化石を調査していた古生物学チームは、筋肉の位置と筋繊維の方向性を突き止めた。
「腹腔に筋肉を発見したのは予想外だった」と、オーストラリア国立大学(Australian National University)地球科学研究所(Research School of Earth Sciences)のギャビン・ヤング(Gavin Young)氏はAFPの取材に語った。「現存する魚でも、前進するための主な手段は尾を左右に振ることで、筋肉は全て体の側面に付いているからだ」
ヤング氏はさらに「興味深いのは、われわれがこれらの筋肉を発見した際、唯一比較可能だった筋肉組織が陸生生物のものだった点だ」と指摘。今後は、「Gogonasus」の機能が陸生生物の腹筋と同じかどうかを調べると述べた。
化石は石灰岩の団塊(ノジュール)の中から見つかったもので、保存状態が並外れて良い。論文によると、研究チームは3種の化石から少数の標本の筋肉を分析した。ヤング氏によれば「Gogonasus」の化石からは、これまでに神経や筋細胞といった軟組織や、脊椎動物として最古の胚、臍帯(へその緒)などの存在が確認されている。今回の研究ではさらに進んで、古代魚の筋肉組織を初めて「解読」した。
初期の脊椎動物の進化に詳しい豪カーティン大学(Curtin University)のKate Trinajstic准教授は、「古代魚の化石に腹筋がある!と非常に驚いた」とコメント。「腹筋は、陸上を初めて歩いた動物によって生み出されたものだと考えられていたが、進化史上ずっと早い時期に生じていたことを示す発見だ」と解説している。
腹筋は人間の場合、内臓の保護から姿勢や動作の維持までさまざまな機能を果たしている。(c)AFP