【6月13日 AFP】欧州南天天文台(European Southern ObservatoryESO)は12日、南米チリにあるESOのラ・シーヤ天文台(La Silla Observatory)の1.2m望遠鏡で観測を続けてきた天文学チームが、地球から7000光年の距離にある興味深い星団の中に、これまで知られていなかった新しい種類の変光星を発見したと発表した。

 ラ・シーヤ天文台で、ケンタウルス座(Centaurus)の散開星団「NGC 3766」にある約3000個の星を7年にわたって観測してきたスイス・ジュネーブ天文台(Geneva Observatory)の天文チームは、そのうちの36個の星の明るさがわずかながら変化していることを確認した。変化の幅はわずか0.1%ながら、2~20時間の周期で光度が変化していることが分かった。

 星自体が発するエネルギーの流れによって明るさが変わる変光星や脈動型変光星の存在は、かなり以前から認識されていた。しかし、このほど見つかった星たちは、現在知られている変光星のどのカテゴリーにも適合しない。約2000万年前に誕生したこれらの星は、太陽より若干熱くて明るいという以外に目立った特徴はない。

 ジュネーブ天文台のSophie Saesen氏は、「新しいタイプの変光星の存在そのものが、天体物理学者にとっての挑戦だ。現行の理論モデルに基づいた推測では、これらの星の明るさは周期的に変化しないはずだ。こうした奇妙で新しいタイプの星の性質を、さらに把握するべく調査を進めている」と述べている。(c)AFP