【5月29日 AFP】米アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO)は28日、米カリフォルニア(California)州で開催されたIT情報サイト「AllThingsD」のカンファレンスに出席し、コンピューターの未来について、腕時計やアクセサリーのように小型化して身につけることができるものになるだろうと語った。一方で、米グーグル(Google)のウェアラブル(身につけることの出来る)情報端末「グーグル・グラス(Google Glass)」のような、インターネットに接続した眼鏡型の端末には疑問符をつけた。

 クックCEOは、グーグル・グラスが「大量市場向けの商品になる可能性は低い」と述べた上で、より幅広いウェアラブルコンピューターの領域にはアップルも「極めて関心を持っている」と語った。

 ウェアラブルコンピューティング部門には「大量の企業が試験参入」することになると予測。だが、アップルがうわさされている腕時計型端末「iWatch」で市場参入するかどうかについては回答を避けた。

「必要ないのに(眼鏡を)かける人を、私はあまり知らない」とグーグル・グラスを遠回しに攻撃し、「腕時計は興味深い」とクック氏は続けた。「だがそれでも、人々に身につける価値があると説得できなければならない。若い人の大半は腕時計を身につけないしね」

■アップルのクールさ、課税逃れ疑惑などにコメント

 クックCEOは、アップルがクールさを失ったとの指摘を退け、アップルの株価下落は「もどかしく感じる」と表明。昨年9月に700ドルだったアップルの株価は、28日には440ドルをつけていた。アップルには「他にもいくつかゲームチェンジャー(形成を一変させるもの)」があると主張したが、その詳細についてはコメントを拒否した。

 また、課税逃れ疑惑をめぐり米上院公聴会で証言したことについては「われわれは誰よりも高額の税金を払っている」と述べ、米法人税はより単純なものに改正されるべきだと主張した。(c)AFP/Glenn Chapman