【5月12日 AFP】国際宇宙ステーション(International Space StationISS)で9日に給電系統の1つで機器の冷却に使われているアンモニアの漏出が確認されたことを受け、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人が11日、機器の交換のため予定外の船外活動を実施した。

 漏出でISSの米国側モジュールに影響が出ていた。漏出が完全に止まったか判断できるようになるには数週間から数か月かかるという。

 船外活動を行ったトム・マーシュバーン(Tom Marshburn)、クリス・キャシディ(Chris Cassidy)両フライトエンジニアは作業開始から約5時間30分後のグリニッジ標準時11日午後6時14分(日本時間12日午前3時14分)に、ポンプ・流量調整装置の交換作業を終えた。作業は予定より約1時間早く終わった。

 新しいポンプは交換からおよそ1時間後に利用が開始された。宇宙飛行士らとミッションコントロールセンターが約30分にわたり注意深く監視した後、クリス・ハドフィールド(Chris Hadfield)ISSコマンダーがツイッター(Twitter)に「漏出なし!トムとクリスを内部に戻す」と書き込んだ。

 今後も機器によるポンプの監視が続けられるが、現段階では順調に作動しているもよう。NASAはISSにいる各国のクルーが危険にさらされることはないと強調していたものの、昨年11月にも今回と同じ部分で漏出が確認されており、米露の専門家は「深刻」な問題だと指摘していた。

 原因としては、隕石(いんせき)や宇宙ごみが冷却用のラジエータに衝突した可能性が疑われている。以前は年間約2.3キログラムのアンモニアが漏れる程度だったが、9日からは1日に約2.3キログラムが漏れ出し、前回よりもひどい状況になっていた。

 ハドフィールド、マーシュバーン、そしてロシアのロマン・ロマネンコ(Roman Romanenko)の3飛行士は半年間の任務を終えて予定通り14日に地球に帰還する予定。(c)AFP