【5月9日 AFP】国連アフリカ経済委員会 (Economic Commission for AfricaECA)とAfrican Innovation Foundation(アフリカ・イノベーション基金)の共同イニシアチブ、「イノベーション・プライズ・フォー・アフリカ(Innovation Prize for Africa)」の今年の受賞者が決定、7日に授賞式が行われた。

 受賞したのは、南アフリカのステレンブーシュ(Stellenbosch)に拠点を置くアグリプロテイン・テクノロジーズ(AgriProtein Technologies)が開発した「ハエ」を利用する飼料の製造技術。アグリプロテインには、賞金10万ドル(約990万円)が贈られる。

 この技術は、特殊な方法で飼育した「ハエ」によって、廃棄された食品や廃棄物に含まれる血液、内臓、肥やしなどを家畜の飼料に変換するというもの。自然界での事象を再現し、産廃を再利用可能なタンパク質にリサイクルする。

 まず、利用するハエには人間が食べるものを餌として与え、その産んだ卵を回収して廃棄物の中に入れ、ふ化させる。その後、廃棄物を食べて育ったハエの幼虫を回収して乾燥させ、ひいて粉にしてから、コーンフレーク状に成形。飼料メーカー向けに出荷する。乾燥させた幼虫の成分の組成は、一般に飼料として使われる魚粉と同じだという。

 アグリプロテインのジェイソン・ドリュー(Jason Drew)氏はAFPに対し、「工場は無数のハエが舞い飛ぶ巨大なケージのようなもの」と説明した。大規模な工場であれば、1日あたり90~100トン、乾燥して28.5トンのタンパク質を生産できるという。(c)AFP/Justine GERARDY