【4月8日 AFP】宇宙天気とは、主に太陽で突発的に発生する嵐・大爆発によって吹き出した、危険を及ぼす可能性のある放射が地球に降り注ぐことで引き起こされる現象だ。

 極地方の多くの人々が畏敬の念を持って眺めてきた壮観な「オーロラ」の光も、太陽からの放射が地球の磁場に衝突して発生する美しい天体ショーだ。

 太陽は、不規則に突然発生する「コロナ質量放出」(CME)と呼ばれる現象で、太陽を構成するプラズマや磁性物質を爆発的に放出する。また、同様に突発的に発生する「太陽フレア」によって爆発的な放射が起こることもある。

 太陽からの放射の温度は数百万度に上る。太陽は荷電粒子や放射線を絶え間なく放出しており、これらは太陽風に乗って宇宙空間に波及する。

 突発的に起こる太陽フレアや太陽爆発により、地磁気嵐が発生する場合がある。地磁気嵐は、宇宙空間や地球上にある人工のシステムに影響を及ぼすが、地上にいるわれわれ人間は磁気圏に守られているため、最悪の影響を受けずに済んでいる。

 例えばCMEの影響で、電力線などの地上に敷設された長距離配線に、電磁誘導による過電流が流れる場合がある。また、地磁気の乱れによってレーダーが狂ったり無線信号が妨害されたりすることもある。

 宇宙空間にぽつんと浮かぶ人工衛星は、格好の標的になる。太陽フレアによって、地球および大気圏に到達する放射のレベルが上昇すると、その影響で大気圏が拡大して衛星軌道の大気密度が上がり、大気の抵抗が大きくなることで、衛星の寿命が短くなる。また、急激に変化する磁場の影響で、衛星の電子機器に障害が発生することもある。

 宇宙天気の監視は、人工衛星や望遠鏡による太陽の観測や、地球磁場および電波雑音の変化の測定などを通して行われている。また、形状の変化に太陽嵐の兆候が現れる場合があることから、オーロラの監視も実施されている。(c)AFP