【2月9日 AFP】帽子を飛ばされないようご注意を──来週、地球のすぐそばを通過する小惑星は、これほどの大きさの天体としては観測史上最も近い距離まで接近する見込みだと、米航空宇宙局(NASA)が7日、発表した。

 この小惑星「2012 DA14」は、昨年2月に地球付近を通過した際、天文学者らによって偶然発見された。NASAによると、今回は地球から約1万7200マイル(約2万7700キロメートル)の距離まで迫るという。地球の大気圏外だが、大半の気象衛星や通信衛星の軌道よりも近い。

 ニアミスのようにも聞こえるが、NASAでは心配は無用だとしている。NASAジェット推進研究所(Jet Propulsion LaboratoryJPL)のドナルド・ヨーマンズ(Donald Yeomans)氏は「この小惑星の軌道はよく把握されており、軌道の不確定性を考慮に入れても、地表から1万7100マイルよりも近くを通過することはないと自信を持って言える。よって地球との衝突はありえない」と断言した。また同時に、人工衛星の軌道よりも5000マイル(約8000キロ)内側を通ることになるので、衝突を避けることができる「最適な位置」を通過する見込みだという。

 小惑星の最接近が予測されているのは、グリニッジ標準時(GMT)の2月15日午後7時24分(日本時間16日午前4時24分)で、誤差はプラスマイナス1~2分。インド洋のスマトラ沖上空を通過するが、望遠鏡を使えば東欧、オーストラリア、アジアでも見えるという。「2012 DA14」は直径約45メートルで、小惑星としては小さい。(c)AFP/Naomi Seck