【1月18日 AFP】地球上の生物が爆発的に増えた5億年前の海中に生息していた奇妙な形の生物が、実は蠕虫(ぜんちゅう)や貝などの軟体動物の祖先であるかもしれないとする論文が、英科学誌ネイチャー(Nature)系列のオンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」で17日、発表された。

 中国と欧州の古生物学者らは、1999年に種が特定された当初はクラゲなどを含む刺胞動物門に属すると考えられていた小型動物「Cotyledion tylodes」の化石を再度詳しく分析した。Cotyledion tylodesの体は長さ8~56ミリメートルの杯(さかずき)型で、茶碗型をした上部と円柱状の茎状部からなる。

 分析の結果、茶碗型の上部には口と肛門が隣り合って付いており、体内のU字型の消化管でつながっていること、折り曲げることができる王冠状の触手に囲まれていることが分かった。この構造は、海水を取り込んで食物となる小さな粒子をこし取る内肛動物である可能性を強く示唆するものだという。

 論文によると、Cotyledion tylodesが内肛動物であるならば、当初の分類項目と異なり、蠕虫や貝類を含む冠輪動物の原始的な種類に分類される可能性が高まるという。(c)AFP