【1月17日 AFP】近い将来、米ニューヨーク(New York)の公立校から教科書が姿を消すかもしれない。今年11月に行われる市長選で次期市長の最有力候補とされるクリスティン・クイン(Christine Quinn)市議会議長が、教科書を廃止して生徒たちにタブレット端末を支給する考えを表明したのだ。

 マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)現市長の盟友で後任市長の呼び声が高いクイン氏は、15日に行った演説の中で、技術革新によって「無限の可能性」が開けると語った。

「インターネットが普及したおかげで、教師たちは担当教科が何であれ授業内容や教材を世界中の教師と共有できるようになった」と述べたクイン氏は、タブレットPCがあれば生徒たちは学校でも自宅でも学習でき、教師も1年を通じて教材を常に最新かつ最適な状態にアップグレードしておけると説明。また、動画や双方向性マルチメディアを取り入れたほうが、情報化社会に生きる子どもたちを授業に引き込むことができるとの見方を示した。

 クイン氏によれば現在、公立校の教科書購入にかかる市の年間予算は1億ドル(約88億円)超で、市内公立校の全生徒・教員にタブレットPCを支給するには十分な額だという。

 市長選でクイン氏が当選すれば、女性としても同性愛者としても初のニューヨーク市長となる。(c)AFP