【1月7日 AFP】世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)の地図を作成しているオーストラリアの科学者チームが、これまで想定されていたよりもさらに深い、光のほとんど届かない海中にサンゴ礁を発見した。深海ロボットを使った調査での発見。

 海底地図を作成している豪クイーンズランド大学(University of Queensland)の「シービューサーベイ(Seaview Survey)」チームは、オーストラリアの大陸棚の端、トレス海峡(Torres Strait)付近にあるリボンリーフ(Ribbon Reef)の水深125メートルの海中でサンゴ礁を発見したことを発表した。この水深で珊瑚礁が確認された例はこれまでにない。

 同プロジェクトの主任研究員、オーブ・ホーグ・グルトベルク(Ove Hoegh-Guldberg)氏は3日、AFPの取材に対し、これまでサンゴ礁が確認されたことのある水深は70メートルまでで、今回の発見によってサンゴ礁の発生と成長に関する新たな理解が得られると期待している。

「驚くことにこれらのサンゴ礁にも、光合成を行う共生生物が存在している。これほど低光量の条件下をどう切り抜けているのか、非常に興味深い。光はほとんどなく、底の方では光合成をするのもやっとなはずだ」

 チームが特に関心を寄せているのは、これだけの水深でサンゴがどのように繁殖しているかについてだ。浅瀬のサンゴは月齢周期に合わせて一斉に産卵するが、水深125メートルでは月の周期を「確認」することは非常に難しいとグルトベルク氏は述べる。また「浅瀬のサンゴとはまったく異なることをしているのだろう」とも予想している。

 深い海中に生息するサンゴは、水面近くのサンゴよりも嵐の影響を受けにくいことがすでに明らかになっている。チームではさらに深い場所に住むサンゴに対する海洋酸性化や温暖化の影響を調べていくとしている。(c)AFP