【10月18日 AFP】太陽系に最も近い恒星を公転する、地球とほぼ同質量の惑星を発見したとする論文が、欧州の天文学チームにより17日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 この惑星は恒星からの距離が近く灼熱の環境にあるため生物が生息できる「もう1つの地球」とは言えないが、この発見により太陽系外惑星の探索は新たな段階に入った。

 惑星は三重連星系を構成する星の1つ「アルファ・ケンタウリB(Alpha Centauri B)」を公転しており、太陽系からの距離は4.3光年と、天文学の基準では隣同士と言えるほど近くにある。

 発見につながったのは、惑星の重力によって恒星に生まれる非常に小さな「揺れ」が観測されたことだった。天文学者らは南米チリのラ・シーヤ天文台(La Silla Observatory)のHARPS(高精度視線速度系外惑星探査装置)を用い、4年以上にわたり数百回の観測を行った結果、この恒星が惑星の公転運動の影響で時速2キロ以下という非常にゆっくりとした速度ながらも地球から見て前後に揺れていること突き止めたという。

 スイス・ジュネーブ天文台(Geneva Observatory)のXavier Dumusque氏は、「これは並外れた発見であり、私たちの技術を限界まで押し広げた」と話している。系外惑星は1995年に初めて発見されて以降、存在が確認されたものは750を超え、未確認のものも約2300ある。

 アルファ・ケンタウリBの惑星の場合、公転周期は3.236日で、母星から600万キロという近距離を回っている計算になる。だが論文によれば、これまでの系外惑星に関する統計的研究を基に推測すると、アルファ・ケンタウリBには「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」を公転する他の惑星が存在する可能性も高いという。(c)AFP