「ダイヤモンドの惑星」発見、地球から40光年 仏米研究チーム
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【10月12日 AFP】地球からそう遠くない恒星系に「ダイヤモンドの惑星」が存在するとした仏米合同チームの論文が、11日の英学術誌「Astrophysical Journal Letters」で発表された。
「かに座55番星e(55 Cancri e)」と呼ばれるこの惑星は、地球からわずか40光年の距離に位置し、その大きさは地球の約2倍、質量は8倍に上るという。2011年に初めて観測され、これまでは地球と似た化学構造をしていると考えられていた。
だが詳しい分析の結果、その構造は地球とは全く異なることが分かった。研究を率いた米エール大学(Yale University)の博士研究員ニック・マドゥスダン(Nikku Madhusudhan)氏は、「この惑星の表面は水や花崗(かこう)岩ではなく、グラファイトとダイヤモンドで覆われている可能性が高い」と述べている。また水は全く存在しないとみられ、総質量の最大3分の1がダイヤモンドで構成されている可能性もあるという。
「ダイヤモンドの惑星」は過去にも発見されているが、太陽に似た恒星の周りを公転し、詳細な化学構造が特定された惑星は初めてとなる。
研究チームは、恒星の前を横切る惑星の観測データからその半径を算出し、また質量の推定データと合わせて惑星の構成要素を割り出した。
かに座55番星eの公転速度は非常に高速で、地球が太陽を1年かけて公転するのに比べ、この惑星はわずか18時間で親星の周りを一周する。また、恒星との距離が非常に近いため、地表の平均温度は摂氏2148度にも達し、生命の維持には全く適していないという。
今回の発見により、宇宙には当初考えられていたよりもはるかに多種の惑星が存在することを示す証拠がまた1つ増えたとされた。(c)AFP/Naomi Seck