【7月17日 AFP】スリランカの科学者らが淡水魚の新しい属(genus)を特定し、無神論者としても知られる進化生物学者、リチャード・ドーキンス(Richard Dawkins)氏にちなんで「ドーキンシア(Dawkinsia)」と命名した。

「属」とは生物の分類で「種(species)」の上、「科(family)」の下に位置する階級。魚類学者ローハン・ペティヤゴダ(Rohan Pethiyagoda)氏(56)によると、ドーキンシア属は南アジアのみに生息する9種の魚から構成され、雄の背びれから糸状に長く伸びた部分(フィラメント)が出ている点が特徴だという。

 これまでドーキンシア属の魚は、バルブ(barb)と呼ばれている熱帯の小型魚120種ほどから構成されるプンティウス(Puntius)属に含められていたが、国際的な環境保護活動としても名声を得ているペティヤゴダ氏のチームがインドとスリランカで詳しく調べた結果、プンティウスとドーキンシアの相違は予想以上に大きいことが確認されたという。
 
 ドーキンシア属の魚の雄は、雌をひきつけるため背びれから伸びるフィラメントを大きく成長させる。その一方で、これは捕食魚にとってはドーキンシアを見つける目印となってしまう。

 ペティヤゴダ氏によれば、ドーキンシアの雄の背びれは「雄クジャクの羽に似たものだ」という。「豪華な飾りは自らを危険にもさらすが、好みの雌を選べるという報酬ももたらす」

 ドーキンシア属の再分類は、プンティウス属の魚のDNAや骨格構造、解剖学的特徴などを8年間研究した末に行われた。(c)AFP