【7月13日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は10日、土星探査機カッシーニ(Cassini)が前月27日に捉えた土星の衛星タイタン(Titan、直径5150キロ)の大気現象「極渦」の画像を公開した。極渦とは南・北極を中心に渦巻くガスのことで、画像の中心部分にはタイタンの南極点がある。

 カッシーニが土星系に到着した2004年以来、タイタンの北極点上空には、フード状のかすみがかかっているのが観測されてきた。到着時、タイタンの北半球は冬だったために高緯度地域の大部分は暗闇に閉ざされていたが、他の大気よりも密度が濃く、高高度に位置するこのかすみには太陽の光が当たり観測が可能だった。

 2009年8月の土星系における「春分」が訪れてからは、土星やその衛星で北半球は春に、また南半球は秋に向かい季節が変わり続けている。

 現在、タイタンの南半球高緯度地域は暗闇に包まれつつある。南極点で極渦が発生した原因については、冬の到来および南極点上空でのかすみ発生との関連が考えられている。(c)AFP